ちょっと創作裏話(1)
もう10月! もうハロウィン!? と言っていたら、あっというまに11月末ですね。
年末に向け、いま書いている原稿の〆切りも佳境であせっています。
先日コンビニに行ったら、店員さんがえんりょがちに「このチラシをお入れしてもいいですか?」と
クリスマスケーキの注文票を差し出しました。
「いいですよ、もうクリスマスなんですね」としみじみ答えたら、
「おせちもあります」
と、大変すてきな笑顔で2枚目のチラシを見せてくれました。
やめて、2016年が終わる!
商戦って心臓に悪いですね。
* * *
さてさて、今日は裏話を少し。
作品に書かれていることが『現在』とすると、登場する人物には語られざる『過去』と『未来』があります。
回想で語られることもありますが、大半は作中で描かれない設定になります。
キャラクターにどの程度の設定があるかは書く人それぞれだと思いますが、私の場合はキャラクターによって差があります。
生まれたときから死ぬまで、年表にできそうなくらいしっかりわかるキャラクターがいれば、過去も未来も白紙のキャラクターがいます。
主役だからしっかり決まっているかというと、そういうわけでもなくて。
「想像できる人」と「想像できない人」がいる状態です。
こんな調子なので、1話かぎりの脇役にものすごくしっかりしたバックグラウンドがあって、原稿に書きこみすぎて担当編集さんに止められる、なんてことがあります。
オーダーは探偵にシリーズで例をあげるなら、第3弾「グラスにたゆたう琥珀色の謎解き」の第1話ハーブティーに登場する理花と肇がそうでした。
1話かぎりの二人ですが、じつは理花と肇の回想パートはもっと長くて濃いものでした。最初に書き上がったときは理花と肇中心の物語で、中編くらいの長さがありました。
ただ、このシリーズの主役はあくまで悠貴と美久ですので、それを念頭に書き直したんですが、担当さんに見せたときもまだエピソードが多くて。打ち合わせを重ねてようやく出版された形に落ち着いたしだいです。
登場人物に引きずられてしまうというのか、いまでもときどきこういう失敗をします。
反対に、白紙にしておきたい人というのもいて、そういうキャラクターについては詮索しないようにしています。
これは花見堂聖がそうです。
メインキャラクターですが、彼は空白が多いほうが魅力的です。
* * *
写真は青山一丁目のNeues。
都内でも珍しいウィーン料理がたのしめます。
カップがおしゃれ。
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