コーヒーに溶けるセピア色の謎解き
明日3月25日、オーダーは探偵にシリーズ第8弾「コーヒーに溶けるセピア色の謎解き」が出版されます!
大変お待たせいたしました。
11ヶ月ぶりのシリーズ新刊ですね。
新刊情報にも書きましたが、シリーズのメインストーリーともいえる物語であり、何を書いてもネタバレになってしまう一冊に仕上がりました。
帯やあらすじをご覧いただくとわかるように、今回は悠貴の過去編です。
悠貴がときどき見せる表情
聖の悠貴に対する深い憎悪
ネイビーブルーの携帯電話とクマのストラップ……
これまで作品にちりばめてきた言葉や行動は、すべてここから始まります。
悠貴はああいう性格なので全然話さないし、美久も美久で「悠貴以外から聞きたくない」と宣言をしました。
なにを隠そう、あのセリフで 一番おどろいたのは私です。
うそでしょ、聞かないの! 話が進まないよ!?
一応作者なんですが、登場人物の自主性を尊重すると、ときどきこういうことが起きます……。
どうにか事情を明かそうと、むりやり話題をねじ込んでみたことがあります。しかしこの話題にふれると話が不自然になったり、肝心の本編がぶれてしまったりで、うまくいきません。
担当さんと相談して情報の提示を見送ったのは1度や2度ではありませんでした。
振り返れば、ここでもっと詳しく説明できたかも、と思うこともありますが、それは今だから言えることです。
どの巻も、当時のベストです。
これ以上面白いものは書けない! その気持ちで書きあげました。
もちろん今回もです!
悠貴の苛烈な性格はどこからくるものなのか。
どうして聖はあんなに悠貴を憎んでいるのか。
伏線をしのばせながら、丁寧に丁寧にさかのぼり、彼らと真摯に向き合ってきました。
この巻はその答えです。
何があったのか、ぜひその目で確かめてください。
そして願わくば、どうか最後までお付き合いください。
なんといってもこれは『オーダーは探偵に』シリーズですから!
* * *
写真の手前に写っているのはマリア像です。
たぶん幼稚園の卒園式でもらったものだと思うんですが、物持ちがよくてびっくりです。
8巻に出てくる悠貴の通う学校のイメージは、その時の記憶がベースになっているのかもしれないなあ、と像を見て思い出しました。
いまでも町でシスターを見かけると、懐かしいような、なんだかうれしい気持ちになります。
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