『オーダーは探偵に』の時間軸

by - 木曜日, 5月 12, 2016


謎解きだらけのテーマパークが発売されて3週間ほど経ちました。
楽しんでいただけているでしょうか?

4月にハロウィンの話を発表したせいか、この頃、物語の時間軸についてよくきかれます。


じつは、というほどではないのですが、「オーダーは探偵に」シリーズは第7弾の時点で美久と悠貴が出会ってから半年ほどしか過ぎていません。

もちろん"歳月は巡っても登場人物は年をとらない世界"という認識で読んでいただいてもまったく問題ありません。問題なのは書くときで、「事件Aが起きてから○日」、「○○さんが春に来店した」といった表現が必要になることがあって、「いつ事件が起きたか」や「その事件前後の人の動き」を明確にしておかないと、あとでいろいろ困ったことになります。

この「作中の時間の流れ」というものが、地味に悩ましいのです。
たとえば、第3弾 「グラスにたゆたう琥珀色の謎解き」の第1話/ハーブティー。
読んでくださった方はごぞんじのとおり、この物語は植物が重要な位置をしめるので、8~9月でなければいけませんでした。
ハーブティーの話自体はかなり早い段階で構想していたのですが、シリーズ第1巻は4月の話がメインなので、この話を収録するといきなり季節が飛びます。他にも、インターハイや吉祥寺の秋まつりなど、実在するイベントで時期が限定されるものが多々あります。
1巻は8月だけど、2巻は6月に戻して、3巻は12月とその2ヶ月前の10月の話を書こう――みたいなことを深い理由もなくすると、読む人も私も大混乱です。

書きたいときに書きたいと思った作品を書けるのが一番いいのですが、なかなか難しいですね。
ファンタジー作品だったら「○月に咲く不思議な花!」みたいな設定で乗り切れるのになあ、と思いつつ、収録を見送ったことは一度や二度ではありません。
今もジリジリしながら書くタイミングを待っているお話がいくつかあります。
遠からずお届けできそうなので、今から書くのが楽しみです。

* * *

このブログを立ち上げてから感想などをいただくようになりました。
気持ちを伝えてくださった方、誤字の見落としを見つけてくださった方、本当にありがとうございます!
そしてお返事できなくてすみません……! 

まっすぐに気持ちがつづられたもの。
顔の見えないツールだからこそ、気をつけて言葉を選んでくださったもの。
不思議と文面からその人らしさがあふれているように感じます。

誰かに自分の気持ちを伝えるのって勇気がいりますよね。
何回も文章を見直したり、送ろうか迷って送信ボタンをじっと見つめたりしたのかな――なんてつい想像してしまって、いっそう愛おしくなります。
大いに私の気のせいかもしれませんが(笑)

すべて大切に読ませていただいています。
すてきなメッセージ、本当にありがとうございます!!




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