私の校閲さんがきびしすぎる

by - 土曜日, 6月 09, 2018

 「オーダーは探偵に」シリーズ最新刊『謎解きいざなう舶来の招待状』が出版されて2週間ですね。
本巻は甘く甘ーくなるように、じっくり煮込みました。
楽しんでいただけていますか?

今回は美術品や歴史に関わる記述が多くて、いつも以上に校閲さんに助けていただきました。

校正・校閲さんとは、原稿に間違いがないかチェックする専門職のかたです。
本1冊分の原稿をチェックするというのは、並大抵のことではありません。

表記の統一、ルビ、誤字脱字など、一言一句を丁寧に拾う正確さと根気強さ。
さらに作品の内容にあやまりがないか正確に本文を読み解き、史実や歴史背景のチェックまで。
幅広い知識と専門性が要求される職業です。

そして、訂正だけでなく、わかりにくい記述や誤解の生まれそうな文章にはチェックをいれて、注意をうながしてくれます。
校閲さんというプロフェッショナルがいてくれるからこそ、私も自信を持ってみなさんのもとへ物語を送り出すことができます。


さて、話が戻りますが。

今回の『オーダーは探偵に』はかつてない激甘、糖度高め!と自負しております。
推理しながらイチャイチャすればいい、という暴論にたどりつき、あとがきでもこの話題にふれて、自信満々にこう書きました。

〝本巻はシリーズ屈指の甘口に仕上がりました。該当シーンがどこかは本巻を読むときっとわかると思うのでご笑味くださいませ〟

すると、この文章に校閲さんからこうチェックが入っていました。


『該当箇所が見当たりませんが、他の巻では?』



へ!!!???

校閲さんとは、原稿をチェックする方です。
すなわち、原稿の隅から隅まで読んでいる…………。

読んだけど、〝推理しながらイチャイチャ〟してるシーンが見つからなかった!?

そんなばかな!?


「ええ、そんなパートこの巻に見当たりませんでしたが。えっ、あのシーン? ご冗談を、あれごときをイチャつきと呼ぶんですか?」
(※脳内校閲さん)


きびしい、きびしすぎます校閲さん!!


きっと校閲さんはスクールカースト上位メンバーに違いありません。甘酸っぱいジュブナイル作品からBL、耽美なアレコレまで網羅されていたんですね、きっとっっ!


いやー、世の中には甘い本がたくさんでまわってるんですね。


……

…………

…………『オーダーは探偵に』の読者さん、なんか……ごめん。いつも甘くなくてごめん。
ひもじい思いをさせてごめんね……!



校閲さんのチェックでめちゃくちゃ笑ったんですが、該当箇所が本当に読者さんに伝わってなかったらどうしよう、と心配になりました。

友人にこの出来事を伝えてから本編を読んでもらったら、ちゃんとわかってくれて、死ぬほど安心しました(笑)

ちなみに「推理しながらイチャイチャ」パートがどこか、みなさんはわかりました?

* * *

東京は梅雨入り。
アジサイがいきいきする雨の季節になりました。

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