オーダーは探偵に10巻に登場する絵画

by - 水曜日, 9月 12, 2018


「謎解きいざなう舶来の招待状」には、たくさんの有名絵画が登場します。
今回は作中に登場する絵画を紹介したいと思います。
これを読めば、絵のことも作品の見所もわかって楽しさ倍増です!

新刊を読んだ方から、「どんな絵かわからない」と感想をいただきました。
たしかに文章だけだと想像しにくいですよね。
ただ、できるかぎり有名なものを選んだので、画像を見ればきっと「あっ、知ってる!」となると思います。

さっそく紹介していきましょう!


1.「接吻」グスタフ・クリムト
油彩画/制作1907~1908年

クリムトは19世紀末から20世紀初頭にウィーンで活躍した画家で、女性をモチーフにした作品を多く残しています。
きらびやかでデザイン的な画面にぱっと目をひかれ、よく見ると女性の肉感的な妖艶さにどきりとします。
しかも2人がいるのは崖……なんか怖い!
官能的で死の香りがするクリムトの作風がよくわかる、美しい一枚です。

『オーダーは探偵に』内では、前年のタブローヴィヴァン祭優勝作品として、ポスターで登場します。


2.「夜警」レンブラント・ファン・レイン
油彩画/制作1642年
タイトルは「夜警」ですが、じつは昼の光景を描いた作品。
絵を保護するためのニスが黒ずんで、夜の風景と間違えられたのが原因です。

正式なタイトルは定まっていないようで、
「フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ラウテンブルフ副隊長の市民隊」
「隊長の若きプルメレント領主バニング・コックが副隊長のフラールディンゲン領主ファン・ラウテンブルフに市民隊の行進を命令する」
なんて呼ばれているようです。
長いよ。

この絵は集団肖像画といって、描かれている人たちがお金を出しあって描いてもらったものです。
現代でいうところの記念写真ですね。
絵のタイトルが定まっていないのも、そのせいかもしれませんね。

ちなみに「夜警」はgoogle Arts&Cultureにて拡大画像が見られます。
こんな細部まで見られるなんて、すばらしい時代!
https://artsandculture.google.com/asset/eQEojRwTdypUKA
(直リンクです。別ページに移動します)

作中では、ダニエルがタブローヴィヴァン祭で演じる演目として登場します。
ダニエルは右側の金色の人、ラウテンブルフ役です。
首筋にドーランがついてたり、黄色い衣装を着ていたりと、練習を抜け出して調査する様子がみられます。


3.「舟遊び」クロード・モネ
油彩画/制作1887年
「睡蓮」でおなじみのモネの作品です。
国立西洋美術館に収蔵されているので、日本で見ることができます!

作中では、タイトルだけの登場です。


4.「大はしあたけの夕立」歌川広重
版画/制作1756~58年
こちらも「オーダーは探偵に」内では、タイトルだけの登場です。

歌川広重の最晩年の作品「名所江戸百景」の1枚。
広重の圧倒的な画面構成はもちろんですが、当時の浮世絵版画の技術はもはや衝撃です。
高い技術を持った彫師や摺師の表現力があってこそ、完成したシリーズなのだと思います。

西洋絵画に影響を与えたことでも知られ、「大はしあたけの夕立」はゴッホが模写しています。

(左が広重、右がゴッホです)


5.「グランドジャット島の日曜日の午後」ジョルジュ=スーラ
油彩画/制作1884~86年

いわずと知れたジョルジュ=スーラの代表作。やわらかな風合いで、近くで見ると点描だとわかる驚きの一枚。
点描をもちいて、新たな表現様式を生み出したこの作品は、新印象派と呼ばれます。

作中では、悠貴と美久が初めて目にするライブのタブローヴィヴァンです。
「人間が絵画になる」というタブローヴィヴァンのおもしろさが一番伝わる作品だと思い、この絵を選びました。
10巻を読んだ人にも、美久たちと同じ興奮が伝わっていたらうれしいです。

残りの絵画はその2に続きます!
こちらへどうぞ→ オーダーは探偵に10巻に登場する絵画その2

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