オーダーは探偵に10巻に登場する絵画 その2

by - 火曜日, 10月 09, 2018

「謎解きいざなう舶来の招待状」には、たくさんの有名絵画が登場します。
お気づきの方もいると思いますが、じつは「オーダーは探偵に」10巻の表紙に、作中に登場する絵画が描かれているんです。それは、


グランドジャット島の日曜日の午後:表紙タイトルロゴの左側。
絵画芸術:表紙の右下(帯をはずすとあります)

すごいよ! さすが、おかざきおかさん!!
私ひとり大歓喜!
まさか「絵画芸術」が別角度から見られる日がこようとは思いませんでした……!
絵の美しさはもちろんですが、おかさんの立体感覚には驚かされっぱなしです。

他にも表紙の額縁には作品に関連する絵画が飾られているのですが、表紙のレイアウトの関係で見られず、大変口惜しいかぎりです。

* * *

では、前回同様、絵の説明と作中のどこに登場するか紹介します!
前回紹介の絵画はこちらへ→


6.「オフィーリア」ジョン・エヴァレット・ミレー
油彩画/制作1851~1852年


『謎解きいざなう舶来の招待状』では、タイトルだけの登場です。

オフィーリアはシェイクスピアの『ハムレット』に登場するデンマークの令嬢で、ハムレットの恋人でもあります。
これはその最期を描いた、美しも恐ろしい一枚です。

オフィーリアを題材にした絵画はたくさんありますが、ミレーのが最も有名ではないでしょうか。
個人的にはガストン・ビュシエールのオフィーリアが一番怖いです。

ちなみにミレーは19世紀のイギリスの画家です。
「落穂拾い」のジャン=フランソワ・ミレーと混同されるためか、「ミレイ」という表記もあります。



7.「ヴィーナスの鏡」エドワード・バーン=ジョーンズ
油彩画/1875年


「オーダーは探偵に」でとりあげた絵画の中で、もっともマイナーな一枚でしょうか。
作中では、予選を勝ち抜いた作品として紹介しています。
これをタブローヴィヴァンで演じたら本当にすごいと思います。

泉を覗き込む女性たちを描いた1枚ですが、おもしろいのは水面に映っていない人物がいること。
1番右側の赤いドレスの女性です。
この人物がヴィーナスなんじゃないかといわれています。

また左側の青いドレスの女性はとても目立ちますが、水面では足しか映りません。
湖面では主役となる人物が変わっているのも面白いですよね。



8.「絵画芸術」ヨハネス・フェルメール
油彩画/1666年

最後の1枚は、もちろんこちら。
ヨハネス・フェルメール作、「絵画芸術」です。

フェルメールは日本では「真珠の耳飾りの少女」「牛乳を注ぐ女」の画家として有名ですね。
作中でも言及していますが、フェルメール作品は30数点程度しかありません。

レオナルド・ダ・ヴィンチが「モナリザ」を手放さなかったように、フェルメールもまた、生涯この作品を手放すことはありませんでした。フェルメールにとって、この一枚が特別だったことがうかがえます。

10巻では、依頼人の祖父の部屋として登場します。
ダニエルとの謎解き対決が行われる、特別な舞台でもあります。

著者的には、おかざきおかさんが描かれた表紙の「絵画芸術」もぜひ拝見していただきたい!
ここで悠貴とダニエルの推理が行われたのか! と感慨深くなります。

さて、〈宝物〉はどこに隠されているのか?
ダニエルの推理にあるものが確認できますので、興味がありましたらぜひ細部をごらんください。
https://artsandculture.google.com/asset/the-art-of-painting/lAHeqBoLaePtEA
(外部リンクです)


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2018年ももう10月。
ようやく作中と同じ、秋の気配になってきました。
秋の夜長に、ぜひ悠貴たちと共に軽井沢の芸術祭をお楽しみくださいませ。

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