小説を読んでいるとき、頭の中で声がしますか?
映像が目に浮かびますか?
文字だけの世界は、どの媒体よりも受け手の想像力を必要とします。
色も形も、音も匂いもありません。すべてが読者にゆだねられているのが小説の一番の魅力です。
同じ作品を読んでも私と他の人では見え方が違っているんだろうなと漠然と思っていたのですが、今年の2月にこんな記事を読みました。
「本を読むときに頭の中で「声」が聞こえる人と聞こえない人がいることが判明」
http://gigazine.net/news/20160225-read-voice-in-head/
(別ページで開きます)
タイトルのとおり、黙読していても頭の中で文章を読み上げる『声』が聞こえる人がいる、という内容です。それも8割程度も。
どれくらいの人数が調査されたのかわかりませんが、8割とはおどろくべき数字ですね。
しかもその『声』とは、自分の声であったり、声色は同じでもトーンやピッチが違ったり、まったく別の人の声で再生されたりと、いろいろなバリエーションがあるようです。
私は声が聞こえるタイプで、小説はもちろん、メールや、いま書いている文章も脳内で音声再生されています。これは自分の声ですが、登場人物とイメージが重なる役者がいると、そのかたでセリフが再生されることもあります。
他の人がどんなふうに文章を読んでいるのか、きいてみたいものです。
あなたは声が聞こえますか?
登場人物によって声が違います?
アニメ化した作品だと、声優さんの声で脳内再生されたりするのでしょうか?
『声』ではありませんが、『雨ときどき、編集者』を書くとき、編集者に「文章が映像で見えますか?」という質問をしました。
『雨ときどき~』は編集者の物語なので、編集者の思考や読書スタイル、作品とどう向かい合うのかがすごく知りたくて、この手の質問は担当編集や知り合いの編集者に山ほどしました。
(関係者のみなさま、その節は本当にありがとうございました!)
職業病的な共通点があるんじゃないかなと思ったのですが、結論からいうとそういうものは確認できませんでした。ただ、傾向みたいなものはあったように感じます。
速読ができる方、文章を読むとき一文ではなくページ全体を面で見る方は、あまり映像を浮かべていないようでした。
対照的なのは絵画鑑賞や絵を描いたりするのが得意な方で、けっこうしっかりイメージされている印象です。
ひょっとしたら、頭の中で声が聞こえるかどうかも、似たような傾向があるかもしれません。
夢を可視化できたらおもしろいといいますが、他の人がどんなふうに小説を読んでいるか可視化できたら、おもしろそうですね。そんな装置ができたら、ぜひのぞいてみたいです。
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